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Arata Suzuki

シャリアピンステーキ

 みなさま、シャリアピンステーキって知っていますか?昔帝国ホテルで、シャリアピンさんというオペラ歌手が、歯が痛かったとかで柔らかいステーキが食べたいとのことで、当時のシェフが考案したステーキだそうです。


 うちの息子は、硬いものが食べられないので、このシャリアピンステーキを挑戦してみることにしました。実は職業柄、牛の品種、部位、性別などでほぼ肉の硬さがわかってしまうのですが今日は、オーストラリア産の穀物肥育牛を使用してみました。


 24時間玉ねぎのすりおろしたものでマリネしました。理論上は柔らかくなる予定です。でも今回使用した肉は、間違いなく硬い肉です。半額だったのでもしかしたら細胞内のリボゾームが破壊され柔らかいかもとの微かな希望で購入してみました。


 出来上がりはこちら!



美味しそうでしょ!めちゃめちゃ時間かけて作りました。玉ねぎはじっくりバターで飴色になるまで炒めました。もちろん、肉をつけた玉ねぎもこのソースに使われています。


  本物は、バターと塩胡椒だけで味付けするのですが、剛くん好みじゃないのでポン酢とバターとわさびで仕上げました。


 剛くんの感想は、肉は硬くソースはうまいとのことです。私も信じられなかったので食べました。肉はすじ切りもバッチリ行い完璧に仕上げたつもりです。でも固く柔らかくはなりませんでした。ソースは、イメージ通りで最高の仕上がりです。


 結論!シャリアピンステーキは、松坂牛のような(食べたことないけど)柔らかい肉を玉ねぎの汁につけて焼いた玉ねぎの汁は柔らかさに関係ない柔らかいステーキだったということになりました。


 ステーキソースのおすすめは、肉を焼いた後にバターとポン酢、わさびをお好みで軽く煮詰めると最高のソースができます。多分レストランでも無いソースだと思います。スーパーで半額などで良い肉があったら是非試してみてください。分量は適当でもOKです。


 個人的には、牛肉の個体識別番号でメス、だと大当たりです。でもほとんどのスーパーでは去勢雄の肉しか売られていません。黒毛和種よりも交雑牛の方が値段が安くてもいい肉のことが多いです。ぜひ個体識別番号での照合をお勧めします。スーパーだとなかなかできないですけどね。慣れてくるとなんとなくメスかなとわかるようになります。


 ちなみにこの辺だと熊谷の八木橋の生肉売り場だと50%でメスです。他はほぼ98%去勢雄です。去勢雄でも筋肉部分がしっかり赤いものを選択するといいと思います。赤が濃すぎるとほぼ雄牛です。黒ずんでいるのは、筋肉が酸素と接していないのが原因なので古いわけではありません。特に重なった部分で多いですよね。こんな雑学も獣医学では学んでいるのです。


 正直、正規の値段で買う必要はないと思いますがお買い得でいいものが買える眼力をつけられるようになると最高です!


 ちなみに、私は60%でオスメスは当たります。恐らく市場に出回る80%は去勢雄の肉です。松坂牛は、未経産のメス牛だけが認定されているはずです。他のブランド牛もメスの未経産の牛がほとんどです。そのハズレのオス牛たちが黒毛和種として流通しています。ほぼ雌牛はブランド化されているので、ブランドでない雌牛に巡り会えたら最高の私服の時を味わえると思います。


 ちなみに私も数回しか味わったことがありません。美味しいい肉だなと思った時、ぜひ個体識別番号で照合してみる習慣をつけるといい肉を無駄なお金を払うことなく見つけられるようになると思います。


 ちなみにデパートの高い肉はほとんどメス牛の肉です。スーパーなどでは、高い黒毛和種よりも交雑牛の方がおすすめのような気がします。ちなみに国産牛は、日本で育ったホルスタイン種がほとんどで、硬く旨みのない肉です。付加価値つけて高く値をつける売り手の手段ですのでしっかりと理解した上で購入するといいと思います。実際は、国産牛は、飲食業で使われる半分誤魔化した肉です。私は、ほぼ買うことはありません。


 獣医でなくても、私の卒業した酪農学園大学など行くと細かいことが勉強できると思います。意外に家族に役立てる豆知識のような気がします。国産牛が旨くないなと感じた方はこのような理由があることを思い出すと良いかもしれません。近所のスーパーから苦情が来ちゃうかも???

 


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