台風の多くなる季節になります。この時期になると、河川は増水しマムシの生息する山間部からマムシが流されてきます。マムシは、水辺を好む蛇ですのでどうしても大雨の時は川の上流域から流されてきます。そして、犬が咬まれる事故が起きます。大雨の後の、河川敷での散歩には特に注意が必要です。基本的に、犬はマムシの毒で死ぬことはほとんどありませんが、昨年当院で初めて死亡例が出ました。
しかし、そんなに恐れることはありません。マムシの生態や特徴をしっかりと理解していれば大丈夫です。人も、足首の出ない靴下を履き長ズボンを履いていていれば、咬まれてもほとんどは毒が回ることはありません。ヒトの治療法も昔とは変わっていますので死ぬこともほとんどなくなりました。現在は、抗毒素を使用しています。
ヤマカガシは抗毒素が使えません。しかし、ヤマカガシの毒は咥えたカエルを殺すための毒なので奥歯にあります。ぶら下がるくらいの咬傷出ない限り問題はないかと思います。私の子供の頃はヤマカガシには毒がないと言われていたので、私は普通に捕まえて飼っていました。喉周りの赤い子がなかなか見つからず必死で捕まえていた頃を思い出します。
と昔懐かしい話をしたところで、犬を守るためには草むらに入れないことです。下草を飼ってある所までにするとよいかと思います。そして、見かけても半径1m以内に近づかなければマムシも攻撃してくることはありません。マムシも、犬やヒトが怖いのです。
次に、レプトスピラ症についてです。こちらは、ワクチンはありますが、効果の持続期間は短いと言われ(約半年)、効果には正直疑問があります。レプトスピラの発症の多くは秋から冬なので、6月頃にワクチン接種をするのが効果的です。何も考えずに接種する獣医はその病気とワクチンの性質を知らないからでしょう。私は、川遊びをする子にしか接種は勧めていません。
また、当院でのレプトスピラ症の子は、消毒していない井戸水を飲んでいました。おそらくその生水からの感染だったと考えています。川周辺のお家で、農業用の井戸水を飲んでいました。この子は、疑症ではなく真症です。確定診断が下り、国への届出もしました。私の見た子は生存しましたが、多くの子は亡くなります。レプトスピラはネズミの腎臓に寄生し尿が原因となります。
これからの時期、台風などで洪水が起きたりもします。このような地域はレプトスピラの細菌が生息していると考えましょう。しっかりと乾燥するまでは近づかないようにしてください。この細菌は、経皮感染も起こします。私は、犬を川に入れたり河川敷で遊ばせることに基本的には反対です。このようなことをしっかりと理解した上で遊ばせましょう。
ちなみに、症状は、黄疸と急性腎不全です。尿が出なくなり嘔吐があり、更に川遊びをする子は疑う必要があるかも知れません。西日本に多い病気ですが、埼玉でも散発しています。ほとんどが台風の時期と一致します。気をつけましょう。
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