世の中には、昔からそれが正しいということでなかなか変えられないことが沢山あります。例えば、マスクをすればウイルス感染を防げるなんて全く根拠のないことで、マスクの繊維の隙間をサッカーゴールに例えれば、ウイルスの大きさはピンポン玉だというのはよく例えられる例です。私も診療中はマスクをしますが、実は犬猫の毛によるアレルギーが原因だからです。マスクなしでの来院は全く気にしておりません。自分も病院以外では、マスクをすることはありません。
金魚を育てる上で昔から青水か良いと言われています。実際ほとんどの飼育場は青水飼育だと思います。99%以上と言っても良いかと思います。理論としては、青水に含まれる藻が餌となり糞を分解し成長を良くするということです。私は40年以上前の小学生の頃からその飼育法に疑問を持っていました。普通に新鮮な水を入れ綺麗な状態で維持すれば絶対に魚は病気もなく成長するはずだと考えていました。
時はすぎ40年以上過ぎた現在、今だに青水飼育が主流です。正しいのかもしれませんが、新しいいことを挑戦しなかった結果なのかもしれません。私は、ディスカスの飼育で当時の常識でpH5前後の水換えをしない飼育法が正しいいと言われていた時代に比較飼育をしました。水換えを頻繁に行いpH7前後飼育した群は成長も早く繁殖もスムーズにいきました。結果、稚魚達は高値で売却され私は、親に内緒のお小遣いを車一台分を軽く稼ぐことができました。繁殖できないは、何か間違えていると誰も考えなかったことが理由だったと分かった瞬間でした。
らんちゅうを飼い始めてちょうど1年が経ち、繁殖に成功しました。40年以上たった今も未だに青水飼育が推奨されています。力のある人がいるのかな?私は、全くそれらを無視して新鮮水での飼育でたった1年で普通に繁殖に成功しました。正直ディスカスの時の苦労に比べれば微たる苦労です。私は、品評会に出す気もなく商売する気もないので患者さんにプレゼントします。個人的には、十分いい仕上がりの子達が多いと思っています。
動物達の飼育で、綺麗な環境で育ったものと劣悪環境で育ったものを比較してどちらが良い成長をするかと言ったら分かりますよね。青水飼育を否定するわけではありませんが、それを説得するだけの理由というのが私には見つけることができませんでした。そういうとプロの飼育者からお叱りをいただきそうですね。でも、医学の世界では昨日の常識が一夜にして覆るということはザラです。本当はどちらが正しいのでしょうか?
私個人としては、水の中にどれだけの酸素が供給できるかが問題だと考えています。青水に含まれる藻類が日中は酸素を作り出しますが、夜はどうでしょうか?二酸化炭素を排出するだけの邪魔者しかありません。なんて、疑問を考えまくることが人と違う結果を作ります。もちろん、私が全て正しいとは考えていません。しかし、過去の経験から絶対に水は綺麗なほうが有利だと考えています。ちなみに水族館で緑色の水を見たことがありますか?が原点でした。養鱒場も同じです。
私は、小学生の頃からさいたま水族館に毎日のように通い詰め、今だから言いますが、無料で裏口から入ることができるほど通いました。いろいろな飼育法を学び当時はイモリの飼育に興味があり繁殖するまでの方法を色々教えていただきました。息子が生まれ35年ぶりに伺ったらイモリはほとんどいませんでした。正直ショックでした。私が飼育係だったらきっと違った結果だったのではとちょっと思ってしまいました。
と色々と呟きましたが、なんと言っても一番大切なのは小さな変化に気づけるように毎日毎日何度も見ることです。そこで変化に気づけなければ全てを失うことになるます。小さな変化に気づき対処することが大切なのです。ブリーダーと言われる人たちは、その見る目が優れている人なのだと思います。見る目がないと諦める前に、毎日何気なく見るだけでも違います。きっと変だなと感じることがあるかと思います。それが、大きな病気のサインだったりすることもあります。私で分かることであれば飼育法を教えますので、あまり心配せずにうちの子をもらっていただければと思います。現在、半数以上は貰い手が決まっております。あと数匹ではございますがご希望の方は受付までご連絡ください。
あくまで、私はらんちゅうの繁殖家でもプロでもありません。獣医師の目線から見た率直な意見として捉えてください。淡水魚飼育には必ず0.2%ほどの塩を入れてください。淡水魚はナトリウムを体に取り入れ水を排出する代謝機構になっております。塩類がないのは生命危機になってしまいます。ちなみに、体液は人と同じ浸透圧になっています。生理食塩水と同じ0.9%になっています。同じ生命と感じてしまう瞬間ですね。
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